相続を放棄したいとき

相続を放棄したい

1.プラスの財産がない?

大切な人がお亡くなりになった場合、ではご主人が亡くなった場合に自宅や預貯金などを分けるお話をしました。

では、仮に亡くなったご主人に財産がなく、それどころか消費者金融に借金があった場合はどうでしょうか?

相続というのは亡くなった人の権利や義務をまるごと受け継ぎます。つまり借金も受け継ぎます。

プラスの財産が多く、そのプラス財産で借金がまかなえれば相続しても問題ないでしょう。

問題なのはマイナスの財産がプラスの財産よりも多い場合です。

この場合、相続してしまうと、前述のようにまるごと受け継ぎますので、借金を肩代わりしなければなりません。

2.相続しない方法

では、子々孫々、末代まで借金を背負わなければならないのか、というとそんなことはありません。

民法には相続を放棄できる旨の規定があります(令和5年に条文が改正されました)。

具体的には、家庭裁判所に放棄する旨の申述書を必要な書類と一緒に提出します。内容に問題がなければ受理されることがほとんどです。

しかし、申述書の記載方法に誤りがある場合や、申述書を出した後に家庭裁判所から送られてくる書類に申述書と矛盾した返答をすると、受理されない可能性もあります。

相続放棄の手続きは司法書士にお任せください。

3.放棄できる期間が決まっている

放棄の手続きにおいて、1番注意しなければならないことは、放棄できる期間が原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月」ということです。

3か月という期間はほんとにあっという間です。

借金のほうが多い、ということが明らかであれば、すぐにお問合せください。

※仮に、奥さんとお子さんが放棄すれば、相続する権利はご存命であればご主人のご両親に移ります。ご両親が放棄した場合、ご主人にご兄弟がいれば、その兄弟姉妹に相続権が移ります。ご自身の放棄により、さらに放棄しなければならない人が出てくる可能性がありますので、全体を見渡したうえで手続きをすることが必要になります。